ポルカドットスティングレイ「阿吽」。
3rd mini ALBUM「ハイパークラクション」収録で、駆け抜けるような疾走感が魅力的な直球ラブソングです。青春真っ盛りな感じがとっても胸熱。
Youtubeにてミュージックビデオも公開中です!
ザコシが意外とメンバーに馴染んでるのが面白い…
動画は6分ありますが、曲自体は5分もないのでご安心を(?)
歌詞解釈
好きな人に素直に気持ちを伝えられない主人公が、告白へむかって突き進んでいく物語。とにかく眩しいです。
1番
話があってさ言いづらいけど
月が綺麗でしょ 君がキラキラ
弾けて目が覚めそうだよ
阿吽 作詞 雫
文豪・夏目漱石はかつて、” I love you" を "月が綺麗ですね” と訳したという逸話が残っています。めちゃめちゃ遠回しな言い方ですよね。
きっとその辺の男子高校生に言ったって、告白されてると気が付く人はほとんどいないでしょう。
しかも「言いづらいけど」とまで断ったのに結局「月が綺麗でしょ」止まり。
相手に自分の気持ちを伝えたいけど、なかなか素直になれないし告白する勇気もない、というのが主人公の心境なのでしょう。
直線だってさ思ってたのに
曲線だったの たった横から見ただけなのにな
君にはずっとさ言い出せてない秘密があってさ
置いていけないことに気づいてしまったよ
阿吽 作詞 雫
まっすぐだって思っていたのに、意外と複雑な自分の想いに気付いてしまった。
ただ「好き」だと伝えればそれでいいのに、なかなかそうもいかないのが世の常です。
プライドや恥じらいが邪魔をして、そう簡単にはいかないもの。
”君に言い出せてない秘密” は勿論、「好き」という気持ちでしょう。
素直に言い出せないけれど、置いていくわけにもいかない。もどかしい感情です。
その曲はさっきさ止めてみたけど鳴り止まなくてさ
それってつまり君とはもっとさ
阿吽の呼吸で居たいのさ
阿吽 作詞 雫
”その曲”の正体は後の歌詞で登場しますが、 「あの時君が聴いてたポップ」のことだと思われます。おそらくラブソングでしょう。
音楽を止めたって心の中で鳴りやまない。止めようと思ってもこの気持ちを抑えられない。主人公の想いが溢れ出します。
そして「阿吽の呼吸で居たいのさ」。
「阿吽の呼吸」は息がぴったり合う様を指す言葉です。もう想いを止められないから、2人で気持ちを合わせていたい。
ちょっと素直になりましたね。
Aメロが結構長めで遠回りしましたが、ここから一気に物語が加速していきます…!
阿吽の呼吸で君と背中合わせで弾丸ランデヴー
一生かけて消えない恋したい
あれから君からずっとさ目が離せない
責任取ってよ魔法みたいな 一夜はどうかな
今行くよ
阿吽 作詞 雫
もうバリバリ恋してますね。一気にストレートな歌詞に突入。
ランデヴーはデートを意味するフランス語。背中合わせでもいいくらいの阿吽の呼吸でランデブーして、忘れられない恋したい、と。キラキラしてますね…
”弾丸ランデブー” とか ”魔法みたいな一夜” みたいな、一瞬で駆け抜けるようなワードが多用されることで曲の疾走感がますます高まっています。
愛とか難しいことじゃなくて、一生かけて ”恋したい” といっちゃうのがまた青春感すごいですよね。付き合う前のカップルの胸の高まりがひしひしと伝わってきます。
2番
恋をしたんでしょ 言われることが最近多いの
今走っている道が本当は
一通なんてさ知らなかったよ
後には戻れない だけど何だか高鳴る心の臓
阿吽 作詞 雫
恋の止まらない衝動、勢いみたいなのを描いた場面。
周りにあからさまに気づかれるくらいに、恋の道を突っ走っていく主人公。
一方通行でもはや後戻りなんかできないけれど、恋が進むにつれて胸のトキメキはどんどん大きくなっていく。 なんだか眩しすぎる…笑
ダーリンダーリン恋をしたんだよ
もう止まれない君の仕業でしょ
この音楽が鳴り止まないのは
神様今だけ聞いてよ
風のバイクが切り裂く夕陽がもう少しだけ 続いて欲しくて
阿吽 作詞 雫
ここの疾走感なんかものすごい。
Bメロがなくなって、”ダーリンダーリン” という勢いのあるフレーズでサビに突入するのでとっても展開がスピーディーです。
”風のバイクが切り裂く夕陽が”という字ずらだけ見ても気持ちいくらいに駆け抜けてますよね。
音楽が鳴り止まない≒君への想いが止まらない。”君の仕業でしょ”。
主人公の恋はもう止められません。
3番
いったん曲調が変わり、楽曲冒頭の歌詞が繰り返されることで一度は減速するもののラスサビで一気に再加速。とてつもない疾走感で最後まで突っ走ります。。
言えないままでいたんだよ あの時君が聴いてたポップは
本当はもっと君を泣かすのさ
ダーリンダーリン話があってさ
君と見てると月が綺麗だよ 世界は何も変わってないのに
阿吽 作詞 雫
君が恋をすれば、あの時聴いてたポップは君を泣かすんだ。月が綺麗なんじゃなくて、君と見る月が綺麗なんだ。
恋が始まった時の、世界がなんだか輝いて見える現象が描かれています。
夏目漱石が「月が綺麗ですね」と訳した真意も実はここにあったのかもしれませんね。
君に恋しているから、月が綺麗に見える。
それをポルカ風に訳したのが「あの曲が鳴りやまない」なのでしょう。
君に恋しているから、あの曲が頭から離れない。
あれから好きだよずっとさ ついさっきまで一緒に居たのに
踵返して君に会いに行く 今行くよ
阿吽 作詞 雫
ここまでくればもう、紛うことなき告白ソング。
”あれから好きだよずっとさ”。
素直になれなかった主人公はもうどこにもいません。ど直球でど真ん中の、青春真っ盛り。まっすぐでまっさらな恋の歌は、ここで幕を閉じます。
まとめ
これぞ青春!と言わんばかりの、ど直球ラブソング。高校生の甘い恋感がとてつもないです。
初めは素直に気持ちを伝えられなかった主人公が、曲の最後には屈託のない想いを告白する。
後戻りできないまっすぐな恋の歌。
月が綺麗なんじゃなくて、君と見る月が綺麗なんだ。一緒に聴くポップだから泣けるんだ。
恋をすれば世界は変わる。そんな現象を、なんとも綺麗な表現で描写しています。
雫さん曰く「高校1年でやめたからイメージで作った」そうですが、だとしたら想像力豊かすぎて怖い…笑
最近あまり無かった、超青春ど真ん中のラブソング。まだ聴かれてない方は、是非一度お聴きください…!