indigo la End『チューリップ』。
2月28日に配信が開始された、アルバム『夜行秘密』収録曲だ。
チューリップの花言葉をモチーフにした楽曲なのだが、これがまたどうしようもなく切ない。胸が締め付けられる。やるせない。
口を開けば切なさが溢れ出す天才・川谷絵音が贈る、切なすぎる失恋ソング。
この記事ではその歌詞に注目しながら、楽曲の魅力を語っていきたい。
歌詞考察
『チューリップ』は終わってしまった恋を歌った失恋ソングだ。
歌詞ではこの恋における ”私” の感情が描き出されている。そしてそのどれもが、”私”から幸せな恋愛を抉りとっていく。心情描写の美しさにはただただ感嘆するばかりである。
染まりきった私 今さら変えられないの
物語った私 後書きへの助走ルート
振りほどいたあなた 情がちょっと見え隠れ
それだけでもう終わりなの? 散文的な変わり目優秀賞なんていらない
過去になっていくあなたの
置き土産の色が濃くなって ひたすら苦しいよ
チューリップ 作詞 川谷絵音
”私”の物語は既に最終章だ。
あなたに染まりきった私。もう今更変わることなんてできない。
もちろん物語の結末はもう決まっているはずだ。ハッピーエンドへと向かっていくストーリー。あとはもう後書きへと向かっていくだけのはずだった。
しかし、物語は突如動き始めた。
あなたの愛が消えてゆく。離れていく貴方の心がそこに見え隠れする。
崩れ出す物語。散文的な、突発的で大胆な、劇的な別れが訪れるのだ。
こんな物語に優秀賞なんかいらない。もうあなたに染まり切ってしまった。なのにもうあなたはいない。一昔前の新海誠の作品のような、胸が張り裂けそうなストーリー。
さよならがもうどうにもならないなら
せめて私を寒くなさって
あなたが切った夜は 少し大きすぎた
赤かったふたりは 今日で終わって雪に混じりあった
あなたの望む色になった ああ、寒いな
チューリップ 作詞 川谷絵音
赤いチューリップの花言葉は「真実の愛」。
そして白いチューリップの花言葉は「失われた愛」。
チューリップの花は赤から白へと移ろった。真実の恋は失われた愛へと移り変わってしまった。
過去にならなきゃ 2番目でも構わないって
口を開こうとしたけど
閉じてしまったものは
もう戻らなくて
チューリップ 作詞 川谷絵音
この言葉が全てを物語る。
こんな切ない言葉が、一体どこから生み出されるのだろう。
過去にならないなら、あなたとの関係が続くなら、2番目だって構わない。あなたを独り占めにしたいなんて、そんな我儘はもう言わない。今ならそう言える。だけどそれももう手遅れだ。白いチューリップは赤にはならない。失われた恋は決して帰ってなどこない。
私にはもうどうにもできないから
あなたの袖を掴むことくらいしか
できない
チューリップ 作詞 川谷絵音
もう戻らない。だけど今更どうすることもできない。去り行くあなたの袖を掴むことくらいしか。失った愛に想いすがることくらいしか。
まとめ
2月28日配信、indigo la End『チューリップ』。
辛く、切ないラブソング。
失恋ソングの帝王・indigo la End 、ここに極まれり。
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