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【King Gnu/Overflow】歌詞の意味を考察!家入レオ提供曲のセルフカバー

King Gnu 『Overflow』

2020年1月15日発売のALBUM『CEREMONY』収録の、作詞・常田さんらしさを感じずにはいられないラブソングです。常田さんが家入レオさんに楽曲提供していた楽曲を今回King Gnuがセルフカバー。

ここではその歌詞に注目し、楽曲の魅力を紐解いていければと思います。

 

※セルフカバーである以上、本来は【家入レオ/Overflow】と表記するべき楽曲ですが、当記事では都合上【King Gnu/Overflow】として紹介しております。ご了承ください。

 

 

歌詞解釈

タイトル『Overflow』の意味は「氾濫、(人や物などの)過多」。

楽曲ではいつの間にか欲に溺れてしまい、多くを求める中で大切な「愛」を見失ってしまっていた主人公の心情が描かれています。

 

1番 

幸せの対価に、どれ程の価値が要るかなんて
知る由もない、知りたくも無い
確かなものに手を伸ばしたい

Overflow  作詞 常田大希

幸せになるためにどれだけの代償が要るかなんて知りたく無いし、もっと確かなものを追いかけていたい。

ここでの主人公は冷めた価値観を持っていて、理性的で冷静であるかのように見えます。しかし後の歌詞を見るに、彼はいくらか虚勢を張っている様子。本当はもっと必死に生きているはずなのに、ちょっとカッコつけているように思われます。

 

自分の替えなど
いくらでもいるんだ
自惚れんなよ
世界はそんなもんだって
生きてりゃわかるさ 

Overflow  作詞 常田大希

自分だけが特別だなんて自惚れるなよ、世界はそんなもんだぞ。

この曲は聴き手に向けてメッセージを送るタイプの曲ではないので、自分自身に向けた忠告だと思われます。いつの間にか自惚れてしまい、世の中に淡い期待を抱いていた過去の自分に対する注意喚起。

どうやら彼は、自惚れたことが原因で過ちを犯した自身を悔やんでいるようです。

「社会に希望を持つな」といった類の歌詞はKing Gnuの楽曲で頻繁に登場しますね。

 

ガムシャラに
命を燃やし続けて
デタラメに
刃を振り回した 

Overflow  作詞 常田大希

 Aメロの冷静さとは相反する歌詞ですが、こちらが本音でしょう。

あれこれ考える余裕もなく、ただガムシャラに生きる中で、いつの間にか自惚れてしまっていたのです。本当はカッコつけたことを言っている余裕などありません。

そして《刃を振り回した》。命を燃やす中で、デタラメに誰かを傷つけていました。

 

オーバーフローしているんだ
日々に雁字搦めなんだ
臆病風になびいてしまう前に

愛を探しに行くんだ
君に逢いに行かなくちゃ
あと一度だけでいい
初めからやり直せるはずさ

Overflow  作詞 常田大希

生きることに精いっぱいで、身動きもとれなくなってしまった。怖気づいてしまう前に君に会いに行かなくちゃ。

ここで唐突に別れた恋人が登場します。どうやらガムシャラに生きる日々の中で ”オーバーフロー” したもの、すなわち溢れ出て行ってしまったものが君との ”愛” だったようです。《愛を探しに行くんだ 君に逢いに行かなくちゃ》。カッコつけようとする想いとは裏腹に、必死に愛を探しています。

 

 

2番

夢ばかりを見てたいわけじゃない
如何しようも無い今を愛していたい
なんて戯言を言っていたい

どうにもこうにもうまくいかない
脳味噌オフ→事故→向かう泥仕合
こんな時ほど素直になりたいよな

Overflow  作詞 常田大希

理想ばっかり追い求めていたいわけじゃない。1番の歌詞にもあった通り、世の中は所詮どうしようもないところです。だから「如何しようも無い今を愛していたい」なんて戯言を言っていたい。こんな夢も欠片もない今を愛していたい。

カッコつけたことを言っていますが、実際のところそんな余裕はありません。愛を見失い、どうにもこうにも上手くいかない事ばかり。もう生きることに精一杯。

本人も「戯言(ばかばかしい話)」と述べている通り、自分でも見栄を張る自身の愚かさはよくわかっています。だからこそ、《こんな時ほど素直になりたいよな》

本当は彼も素直になりたいのです。ただプライドがその邪魔をしています。

 

困った事になったな
君に雁字搦めなんだ
未だ平静装い鼻歌交じりで

愛を探しに行くんだ
君に逢いに行かなくちゃ
もう一度だけでいい
初めからやり直せるはずさ

Overflow  作詞 常田大希

困ったことに、君が脳裏から離れられなくなってしまった。そして未だに鼻歌交じりで君に逢いに行く。

《こんな時ほど素直になりたいよな》とは言ったものの、依然としてかなり虚勢を張っています。もう君が愛おしくて仕方が無いのに、君の前ではあくまで平静を装ったままで。どこまでも頑固で気高い人間の性が見て取れますね。でも気持ちはわかるような。

 

 

3番

オーバーフローしているんだ
大切なものなんて
数える程しかないの

愛を探しに行くんだ
気づかぬうちに
欲張りすぎてしまった

Overflow  作詞 常田大希

 精一杯に日々を生きて、自惚れて、世の中に淡い期待を抱いて、地位やら名声やらお金やらに欲を出している一方で溢れて出ていったのは君とのでした。

本当に大切なものなんて数える程しかないはずなのに、いつの間にかありもしない理想を追い求めていたのです。

大切な愛に気付いた主人公は、”君”の元へと駆け出します。

 

困った事になったな
君に雁字搦めなんだ
未だ平静装い鼻歌交じりで

愛を探しに行くんだ
君に逢いに行かなくちゃ
もう一度だけでいい
初めからやり直せるはずさ

みっともないって呆れてくれよ
惨めだねって罵ってくれよ
見捨てずにまた遊んでくれよ
昔みたいに笑ってくれよ

Overflow  作詞 常田大希

 愛を探しに行くんだ。

一度は忘れ去っていた愛を今更追いかける主人公。しかも本当は必死なはずなのに、この期に及んで見栄を張って。まだ素直にはなれないままで。

《みっともないって呆れてくれよ 惨めだねって罵ってくれよ 見捨てずにまた遊んでくれよ 昔みたいに笑ってくれよ》

どこまでもカッコつけていて、だけどどこか愛おしいラブソング。最高です。

 

まとめ

 

欲張りすぎて、大切なものを見失って。

素直になんてなりきれやしないけど、もう一度だけやり直させてくれよ。

タバコ臭くて、カッコつけていて、どこまでも愛おしいラブソングです。

私は常田さんの何を知ってるわけでもないですが、どことなく常田さんらしさを感じずにはいられない楽曲だと感じました…!

 

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