やせっぽち寄稿文

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【嵐/カイト】歌詞の意味を考察! 紅白披露曲に米津玄師が込めた想いとは

NHK2020ソング、嵐『カイト』

紅白歌合戦にて初披露となる楽曲は、米津玄師さんが作詞・作曲、嵐が歌唱という衝撃的なコラボレーションにより誕生しました。NHKによると、オリンピックイヤーとなる2020年、そしてその先の未来に向け、若い世代を応援するために制作されたとのこと。

「今の自分は誰かに生かされてきた」

米津さんは紅白歌合戦のVTRにて、この曲について語る中で何度もこう繰り返しました。

『カイト』に込められたのは一体どんな想いなのか。

ここではその歌詞に注目し、楽曲の魅力を紐解いていきたいと思います。

 

ご視聴はこちらから

挑戦に、リスペクトを。 NHK2020 | NHK

 

歌詞解釈

1番

小さな頃に見た 高く飛んでいくカイト

離さないよう ぎゅっと強く 

握りしめていた糸

カイト 作詞 米津玄師

《小さな頃に見た高く飛んでいくカイト》

それは紛れもなく、幼い頃の憧れです。カイトは日本語で言うところの「凧」。大きな羽を広げ、はるかな空へ飛んでいくカイト。私たちはそのカイトがどこかへ飛んでいかぬように、ただその糸を握りしめていました。

抽象的な表現ですが、この後の歌詞で次第にその意味が明かされていきます。

 

憧れた未来は 一番星の側に

そこから何が見えるのか

ずっと知りたっかった

カイト 作詞 米津玄師

幼い頃の自分にとって、憧れた未来は空の彼方にありました。だから、そのカイトから何がどう見えるのか知りたかった。憧れた未来に広がる世界がどんなものなのかを、幼い私たちは知りたかったのです。

この曲でのは、当時憧れていた未来を暗に示しているのだと思います。

 

母は言った「泣かないで」と

父は言った「逃げていい」と

その度に止まない夢と

空の青さを知っていく

カイト 作詞 米津玄師 

私たちが成長していく中で、母や父が掛けてくれた励ましの言葉。優しい言葉。

その度に私たちは、「泣かないで」と声をかけられるほど必死に追いかけ、「逃げていい」と言われても捨てることのできない大きな夢を抱いていたことを知るのです。

そして幼い頃に憧れた空の青さを、すなわち未来の奥行きを理解するのです。

誰かに励まされながら、私たちは夢を見て自由に飛んでいくのでした。

 

サビの解釈は一旦後回しにします。

 

 

2番

小さな頃に見た 大きな羽のカイト

思い出よりとても古く 小さい姿でいた

憧れた未来は いつもの右ポケットに

誰も知らない物語を 密かに忍ばせて

カイト 作詞 米津玄師

 幼い頃憧れていたカイトは、今見るとずっと古くて小さいものだった。

かつて、大空という未来を自由に飛び回っていたカイト。これは暗に、現在の自分を指しているのではないでしょうか。昔憧れていた未来の自分はずっと勇ましいものに見えていたけれど、いざ成長してそこに立つと自分はそんなに大きなものではなかったのです。

だけどそんな今の自分は、誰も知らない物語を密かに右ポケットに忍ばせています。誰一人として同じものではない、自分だけの人生をここまで歩んできたのです。

憧れた未来は、人生という一本の糸で幼い頃の自分と繋がっています。

 

友は言った「忘れない」と

あなたは言った「愛してる」と

些細な傷に宿るもの

聞こえて来る どこからか

カイト 作詞 米津玄師

そしていつだって、私たちには誰かの声が聞こえてきます。

かけがえのない友の声。他の何より大切な ”あなた” の声。

「忘れない」。「愛してる」。

人生のどんなに小さな出来事であってもそこには誰かの声が宿っていて、いつも私たちを支えてくれています。

「今の自分は誰かに生かされてきた」

人生どんな場面であれ、だれかの”声”に支えられてきた。

米津さんの語っていた言葉の意味が、少しずつわかってきました。

 

風が吹けば 歌が流れる

口ずさもう 彼方へ向けて

君の夢よ 叶えと願う

溢れ出す ラル ラリ ラ

 《風が吹けば歌が流れる》

カイトが飛んでいる空には、風が必ず吹いています。そしてそこには歌が流れています。

すなわち、私たちが夢を追って生きている今という時間も、誰かが私たちのために歌を歌っているのです。実際に声にはならずとも、だれかが私たちのことを想ってくれています。誰かが支えてくれています。それはあの日の両親のように、あの日の友のように、あの日の”あなた”のように。まさしく米津さんが語った通り、今の自分は他の誰かに生かされているのです。

そして他の誰かがそうしてくれているように、私たちも誰かを想い歌を口ずさみます。誰かが願ってくれているのと同じように、《君の夢よ 叶え》と願うのです。

「今の自分は誰かに生かされている」という、当たり前でいていつの間にか忘れ去ってしまう大切なことをこの曲では歌っているのです。

 

 

嵐の中をかき分けていく

小さなカイトよ

悲しみを超えてどこまでも行こう

そして帰ろう 

その糸の繋がった先まで

《嵐の中をかき分けていく小さなカイト》

これは紛れもなく、2020年という今を生きる私たちのことです。

強風にあおられ、雨に打たれようとも、悲しみを超えてどこまでも行こう。

そしてもう一つ、忘れてはならないことがあります。たった独りきりで大空を飛んでいるように錯覚することもありますが、あくまで高く飛んでいくカイト。

私たちには帰ることのできる場所があるのです。今も確かにそこで離さないようにと糸を握りしめている、大切な過去の自分がいるのです。いつだって振り返ればそこに立っています。そして今も自分を想ってくれている、誰かが待っている故郷があるのです。

「帰れるんだなって思うとすごいなんかね、救われるんですよ」

相葉さんはしみじみとそう語っておられました。

どこか懐かしく、暖かい一曲『カイト』

きっとこれから先もずっと、私たちの心の中で鳴り響き続ける曲となるでしょう。

 

 

まとめ

「今の自分は誰かに生かされている」。

忘れがちで、だけど忘れてはいけない大切なことを胸に刻み付ける楽曲、「カイト」

今も誰かが自分のために歌っています。そしてカイトの糸の先には、帰ることのできる場所があります。失う事のない過去が、自分にとって大切な誰かが、確かにそこにいるのです。

《口ずさもう 彼方へ向けて  君の夢よ 叶えと願う  溢れ出す ラル ラリ ラ》

これから先ずっと残っていくであろう名曲でした…!

 

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