けやき坂46(現 日向坂46)、「ひらがなで恋したい」。
一見するとよくわからないタイトルですが、これがなんとも上手くグループにマッチした楽曲でとっても面白い。
けやき坂46でなければこの曲は成立しないし、歌詞の言葉遊びも彼女たちだからこそ映えるというかなんというか。
流石秋元康さんだなあと感じさせられます…
みなさんにもその良さを知っていただきたいので簡単にご紹介。
けやき坂46だからこその良さ
当時のけやき坂46(現 日向坂46)は欅坂46の妹グループみたいな立ち位置で、どうしても欅坂46と混同されてしまい認知されない苦しい実情がありました。
欅坂より先に武道館でライブだってしているのに、検索しても欅坂がヒットしてしまうし、完全な欅坂46の下部組織扱いされることもしばしば。名前でちょっと損しちゃってるといえば語弊がありますが、ちょっと不憫だなあと思うこともあったり。
そんなちょっと不憫な名前を見事に活かしきったのが、この「ひらがなで恋したい」。
曲の内容自体は「ひらがなみたいに単純で明快に恋したい」といった内容なんだけども、仮に他のアイドルが歌ったら全然聞こえ方が違ったと思うんですよね。
だって「ひらがなで恋したい」なんて正直よくわからないじゃないですか。
”どっから平仮名出てきたんだよ” って突っ込みたいし、”ほかに例えあるでしょ”って思っちゃうし。
でも、「けやき坂46」が歌えばその違和感が長所でしかなくなるんです。
けやき坂46は通称 ”ひらがなけやき” 。わざわざ平仮名にしたそのグループ名が見事に活かされているし、なにより曲名にインパクトがあります。
曲名で ”なんでひらがな…?” という違和感を持ってもらえればむしろ「けやき坂46」というグループ名に目が行き、下部組織感が否めなかったグループ名にちゃんと独自性が生まれているんです。これが漢字じゃなくて”ひらがな”けやき坂46なんだぞ、といった具合に。欅坂46とは世界観も違うし名前もアンダーではない、全く違うグループなんだ、というアピールに繋がったわけです。
結果的に「日向坂46」への改名により花開いたけやき坂46ですが、この曲のような独自性のある曲を大々的に打ち出していればもっと違う道もあったのかもな、なんて思ったり。もっとも、改名前には「けやき坂46」としてシングルすら出せなかったわけなのでそんな機会には恵まれなかったのですが。
設定を活かす秋元康の”言葉遊び”
グループ名を活かしたとはいえ、根本的な問題は解決されていません。
「ひらがなで恋したい」というタイトルがいまいちよく分からないのです。
「ひらがな」と「恋愛」を結びつけるのには少々無理があるし、「”ひらがなで”恋したい」から「”単純で明快な”恋をしたい」と変換するのも、それ単体ではちょっと微妙。
何かワンアイデア足りないなあといった感じが否めません。
そんな一味足りない感じを巧みに払拭したのが、秋元康さんのちょっとした言葉遊び。
ふりがなをふらなきゃ わかってもらえない
心のこの感じ どう伝えればいい?
難しい気持ちは 絶対 読めないわ
ねえもっと気楽にひらがなで恋したい
ひらがなで恋したい 作詞 秋元康
心のこの難しい”感じ” を伝えたいから、もっと気楽に”ひらがなで恋したい” 。
…はっきり言ってしまえば、くだらないダジャレです。”感じ”と”漢字”をかけただけ。
でも「”ひらがなで”って何だよ」という違和感を持ったままこの歌詞を聴いた時、くだらないながらに「なるほどそういうことか!」って思ってしまった自分がいたんですよね。
確かに "ひらがなで" 恋しているし、これなら「けやき坂46」というグループ名を抜きにしても曲として成立しているじゃないか、と思わされたんです。
少々無理のあったタイトル設定にちゃんと落ちが付いたわけ。
「けやき坂46」というグループ名を活かしたうえで、ダジャレで曲の違和感のバランスを調整してしまうあたり、やっぱり秋元さんってすごいプロデューサーなんだな…って思わされちゃいますね。
まとめ
けやき坂46らしさが詰まったとっても魅力的な楽曲、「ひらがなで恋したい」。
是非皆さんも一度聴いてみてください!
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