5月29日発売、乃木坂46の23作目シングル『Sing Out!』。
乃木坂46、6か月ぶりとなる待望のNEWシングルです。センターは齋藤飛鳥さんで、MVも解禁されております。
いい意味でアイドルらしくなく、クラップを中心に進行するメロディが聴いていて心地のいい一曲。
早速歌詞を見ていきましょう!
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歌詞解釈
「Sing Out !」、和訳は「たからかに歌おう!」。
歌詞に関して、センターの齋藤飛鳥さんがコメントをされていました。
乃木坂46 齋藤飛鳥、新曲「Sing Out!」視聴会で明かした制作秘話「今までなかった楽曲の雰囲気」 - Real Sound|リアルサウンド
歌詞解釈を書くにあたり、私の独りよがりの感想にならないようにするためにも彼女のコメントを参考にさせていただきました。ご了承ください。
一言でこの曲を端的に表現するならば、「幸せの作り方」といったところではないかな…と思います。世界中でもしこの曲が歌われたなら、きっとみんなが幸せになれる。音楽を通して幸せの在り方を説く一曲となっています。
はじめから歌詞を切り取って見ていきます!
1番
La la la ... Happy Happy If you wanna bring big smile Sing Out!
乃木坂46 「Sing Out!」作詞 秋元康
簡単に訳すると、「もし君が笑顔をもたらしたいんだったら幸せだな たからかに歌おう!」といったところでしょうか。この歌詞はこの後も繰り返し登場します。
この曲は一曲を通して、「自分が誰かのために歌うことで誰かを幸せにしよう」 という思いが歌われています。
その考え方を導入する意味で、このように俯瞰的な目線から「他者を幸せにする」という考え方を英語で繰り返し歌っているのだと思います。この曲の中心的なテーマです。
世界は広すぎて見渡せない
青空はどこまで続くのか
水平線のその向こうは晴れてるのか
それとも土砂降りの雨か
ここにいない誰かのために 今何ができるのだろう
みんなが思えたらいい
自分の幸せを少しずつ分け合えば 笑顔は広がる
乃木坂46 「Sing Out!」作詞 秋元康
まとまりのある歌詞なのでAメロBメロ合わせてご紹介。
テーマは「誰かを幸せにすること」だと感じます。「自分の幸せを少しずつ分け合えば笑顔は広がる」のだと。
この歌詞でいう「青空」というのは、自分の状況を指しているように思います。この場面での自分は幸せな状況。でもそれは自分自身の話で、全ての他者の気持ちを推し量ることはできません。それを他者の気持ち=「水平線のその向こう」として、感情を天気で表現しています。
この辺りが、なんとも言えずクリアではない部分です。 「みんなで歌って楽しもう!」ではない。自分の見えない世界に、「土砂降りの雨」という真っ暗な闇を想定しています。しかも、直接見えない「水平線のその向こう」。どこからか雨の匂いが香るような、このもやっとした空気感が、ただの薄っぺらい呑気な曲ではない、もっとリアリティのある世界を生み出しているんじゃないかな…と。
そして最後に、「誰かの為にできることを考える」「幸せを分け合う」という、「誰かを幸せにする方法」を提示しています。これがサビの歌詞につながっていきます。
この思いとどけClap Your Hands
風に乗って飛んで行け 愛の歌
ひとりぼっちじゃないんだよ
Say Hello Say Hello Say Hello
乃木坂46 「Sing Out!」作詞 秋元康
ここでの 「Clap your hands」 、手を打ち鳴らす行為というのは、この曲では「誰かを幸せにする」ことの象徴となっているように感じます。
「ひとりぼっちじゃないんだよ」。今幸せではない誰かを幸せにするメッセージです。この歌を歌うことで、孤独な誰かを幸せにすることができる。幸せを少しずつ分け合える。だから、「Sing Out!」。「誰かを幸せにする為に、たからかに歌を歌おう!」。 そう歌っています。
2番の歌詞では、もう少し内容が具体的になります。
2番
もし泣いてる人が どこかにいても
わけなんか聞いたって意味がない
生きるってのは複雑だし そう簡単に分かり合えるわけないだろう
ただじっと風に吹かれて 同じ空見上げるように
一緒にいてあげればいい
吹きさらしのその心 温もりが欲しくなる
孤独はつらいよ
乃木坂46 「Sing Out!」作詞 秋元康
齋藤飛鳥さんもコメントでおっしゃっていましたが、ここは特にジメッとした空気感があります。理想論ではないし、全然晴れていません。
「そう簡単にわかりあえるわけないだろ」というある種の諦めのようなものも感じられます。
「孤独はつらいよ」。これがこの曲における「不幸」というものの正体。
そこで挙げられている一つの答えが、
「ただ一緒にいてあげること」なのです。
僕たちはここだ Stomp Your Feet
存在に気づくように踏み鳴らせ
仲間の声が聞こえるかい
Bring Peace Bring Peace Bring Peace
乃木坂46 「Sing Out!」作詞 秋元康
2番のサビは、あきらかに孤独な立場の人間へのメッセージとなっています。
ここでの「僕たち」は、この曲を、孤独な誰かに向かって歌っている人達のことです。それは乃木坂46そのものだし、もっと多くの人なのかもしれません。
孤独な人たちはまだ、この曲に加わっていません。そんな人たちがこの曲に気づいて、ひとりぼっちではないとわかってもらうために、足をふみ鳴らしたからかに歌うのです。
そして「仲間の声が聞こえるかい」。ここでいう「仲間」というのも、この曲を歌っている人々のことです。孤独を感じている人に対して、「仲間」の歌声が届いていますか?と。
その歌声は誰かを助けるためであり、「幸福」への祈りなのかもしれません。
こんなのライブとかの大人数で歌ってたら泣いちゃうでしょうね…
ここにいない誰かもいつか 大声で歌う日が来る 知らない誰かのために
人はみんな弱いんだ お互いに支えあって前向いて行こう
乃木坂46 「Sing Out!」作詞 秋元康
「ここにいない誰か」、つまり今は仲間の存在に気付かず孤独に苦しんでいる人。そんな人もいつかはこの曲を誰かの為に歌う側、幸せを分け合う側に来るのだと。
そして、「人はみんな弱いんだ」。
最後まで現実を見てるな…と感じます。そしてどこまでもひたむきで明るい。絶妙なバランスです…
この後の歌詞は繰り返しになってしまうので割愛します。
まとめ
幸せの作り方を歌ったこの楽曲。
こうした、言ってしまえば楽観的な楽曲は他にもたくさんあるように思うのですが、この曲のアイデンティティは理想論だけでは決して終わらなかったことです 。あくまで理想を歌っているけれども、ちゃんと現実を見ている。確かに晴れているけれど、夕立の後のような湿った空気感を感じてしまう。そんな印象を受けます。
だからこそ、のほほんと理想だけを歌う楽曲よりもずっと身近な歌詞として、心から受け止めることができるのではないでしょうか。
この歌を歌うことで、人は自分の幸せを分け合って、誰かを孤独から解放して、支え合うことができる。そしてもっと多くの人にこの歌を届けるために、この歌をみんなで 「Sing Out!」する。音楽の力を過信しすぎている、なんて言われればそれまでですが、「幸せ」なんてものは案外簡単なものなのかもしれません 。そんなこと誰もわからないのですから。
単調なようで、非常に力強いメッセージのこもった一曲だと感じました!
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