やせっぽち寄稿文

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【歌詞解釈】BUMP OF CHICKEN「流れ星の正体」/ 美しき「流れ星」の正体とは

BUMP OF CHICKEN「流れ星の正体」。作詞・藤原基央さんのまっすぐな思いが綴られた、とにかく優しい一曲です。毛布のように暖かくて、自然と優しい涙があふれてくるような、そんな曲。

歌詞解釈なんて無粋なものを書くのもためらわれますが、皆様にもぜひ歌詞をしっかり受け取って、「流れ星の正体」を噛みしめていただく機会になればと思い、僭越ながら個人的な解釈を書かせていただきます m(_ _)m

 

 

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楽曲について

2017年1月に、BUMP OF CHICKENオフィシャルサイトにて限定公開されていた同曲。そこに2番が付け加えられた形で、2019年4月12日、ボーカル藤原基央さんの誕生日に再び音源が公開されました。現在ではYouTubeでも同曲のリリックビデオを閲覧することができます。

www.youtube.com

また、「流れ星の正体」を収録するアルバム「aurora arc」も発売されました!

上記の音源に更にラスサビが追加され、アレンジも変更されたものとなっています。

流れ星の正体

流れ星の正体

  • BUMP OF CHICKEN
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 Apple Musicなど各種ストリーミングサイトでも視聴が可能。

新たなMVも公開されています。

 

 

歌詞解釈

優しく、温かい歌声とメロディが心に響く同楽曲。歌詞もまた、彼らの思い・生きざまの詰まった素晴らしいものです。じっくりと、「流れ星の正体」を考えていきたいと思います。

 

1番

誰かの胸の夜の空に 伝えたい気持ちが生まれたら
生まれた証の尾を引いて 伝えたい誰かの空へ向かう

BUMP OF CHICKEN 「流れ星の正体」 作詞 藤原基央

伝えたい気持ちは、目に見える形で誰かの心に届く。

心を夜の空として、誰しもが抱く「伝えたい気持ち」「流れ星」と表現しています。

その気持ちは「尾」に象徴される美しさを伴って、まるで空を流れるように誰かの心へ。

なんとも美しい暗喩です。

 

 

いつも迷路 終わらないパレード 止まったら溺れる
ゴールなんてわからないままで いつまで どこまで

BUMP OF CHICKEN 「流れ星の正体」 作詞 藤原基央

人生は複雑で、終わりも見えないのに進み続けるしかない。

先ほどの歌詞と一転、ここはまっすぐな心境吐露です。

名状しがたい不安を抱えながら生きるのは、誰だって同じ。

この暗然とした心境を、先ほどの歌詞では「誰かの胸の夜の空」と表現したのでしょう。

 

 

時間と距離を飛び越えて 君のその手からここまで来た
紙に書かれた文字の言葉は 音を立てないで響く声
そうやって呼んでくれただろう 見上げればちゃんと聴こえたよ
僕の上にも届いたように 君の空まで届いてほしい
せめて君に見えるくらいには輝いてほしい
流れ星の正体を僕らは知っている

BUMP OF CHICKEN 「流れ星の正体」 作詞 藤原基央 

音楽を聴いてくれた人が、藤原さんへとよせた思い。それは確かに、不安を抱える彼の胸の内で輝いていた。

そんな風に、彼の作る音楽も誰かの心に届く「流れ星」であってほしい。

1番のサビにあたる部分。歌声もメロディも歌詞もとにかく優しいです。

 

同曲のテーマである「流れ星の正体」がだんだんと見えてきました。

太陽でも彗星でもなく、「流れ星」。いつか消えてしまえる儚いものでありながら、はるか遠い空を刹那に輝かせる可能性を秘めた存在です。

同様に「伝えたい気持ち」というものは、届くかはわからないけれど誰かの不安な心中に光をともしうる存在。

ここではそんな両者を重ね合わせて表現しているのです。

 

「流れ星の正体を僕らは知っている」と締めくくって、言い切ってしまわないところがなんとも粋だなあと感じます。考える余地が与えられているし、比喩のまま終えることで曲を現実から引き離し、聞く人を曲の世界にとどめてくれる。美しい歌詞です...

 続けます!

 

 


 

2番

足元をよく見て階段一つずつ どれくらいざわついていても ひとり
肩を擦るように避けながら 世界に何億人いようとも ひとり
今日は何もない一日と言えば そこまでの毎日
増え続けて溢れそうな唄の欠片たちが 早く会いたがって騒ぐんだ
変わらないで変われなくて ずっと それでも続いている
ゴールなんて決められないだけで なんなら今でも

BUMP OF CHICKEN 「流れ星の正体」 作詞 藤原基央

僕たちはひとりぼっちだし、人生は味気ない。でも、誰かに伝えたい気持ちは日に日に増えていく。

藤原さんの変わらない思い、生き様のようなものが垣間見える歌詞です。

「なんなら今でも」という歌詞が印象的。後に続く言葉はおそらく「もうゴールしている」だとか「消えてしまえる」だとかになってくるでしょう。何もない毎日と言ってしまえば、もうそこで終わりです。それでも「気持ちを誰かに届けたい」という姿勢は変えることができないから、彼らの音楽は続いていくのです。

 

 

君が未来に零す涙が 地球に吸い込まれて消える前に
ひとりにせずに掬えるように 旅立った唄 間に合うように

命の数と同じ量の一秒 君はどこにいる 聴こえるかい
君の空まで全ての力で 旅立った唄に気付いてほしい

どんなこともこんな熱も街にまぎれる
流れ星の正体を僕らは知っている

BUMP OF CHICKEN 「流れ星の正体」 作詞 藤原基央

君の涙が落ちる前に、その涙を掬える唄を届けたい。君に伝えたいこの気持ちが、どうか君に届いてほしい。

野暮な言葉で表現するなら、超かっこよくて最高に美しい歌詞です。

「涙が落ちる」という事柄を、「地球に吸い込まれて消える」なんて歌ってしまえる感性が羨ましい。これも、「流れ星」という見事な比喩があってこそです。

流れ星が輝けるのは、せいぜい一秒ほど。数十億個の「一秒」の中で、君の空に届いた、君の「一秒」を照らすこの思いにどうか気づいてほしい。

ひたすらにまっすぐな彼らの願いが歌われています。

「どんなこともこんな熱も街にまぎれる」「消える」のではなく「まぎれる」。

流れ星は大気圏で燃え尽きて、最後には街の空気に溶け込みます。彼らの伝えた気持ちも、いつかは誰かの胸の中で薄れていくのかもしれない。だけど、目に見えなくなってしまったとしても、彼らの思いは誰かの心の一部になっていくのです。

 

 


 

太陽が忘れた路地裏に 心を殺した教室の窓に
逃げ込んだ毛布の内側に 全ての力で輝け 流れ星

お互いに あの頃と違っていても 必ず探し出せる 僕らには関係ない事
飛んでいけ 君の空まで 生まれた全ての力で輝け

君がどこにいようと、君に届け、そして輝け、この思い。

アルバム「aurora arc」に収録されるにあたり、追加されていたラスサビ。これまでのどの歌詞よりも力強く、感情的に歌い上げられます。

君がどこにいようと、どれだけ時が経とうと、必ず君を掬って見せる。

最高にかっこいい彼等の生き様です。

「流れ星の正体」。 愛にあふれた、心温まる一曲です!

 

 


 

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