2019年2月発売のアルバム『瞬間的シックスセンス』収録、あいみょんの「夢追いベンガル」。
この歌詞がこの上なく聴き心地がいいというかなんというか、もう最高なのでこの記事でご紹介したいと思います。
解釈、とタイトルにつけたものの、そんなに解説するつもりはありません笑
本来ならばいつものように検索されやすそうなタイトルを付けて、かしこまった読みやすい文章に仕上げるところなんですが、ちょっと調べたら6つくらい歌詞解釈の記事が投稿されてたのでもういいかなって…笑
まあ死ぬほどまっすぐなこの曲の歌詞に解釈なんていらないでしょう、とでも言い訳しておきます。
というわけで、歌詞解釈というより曲のご紹介、もっといえばあいみょんを賞賛する記事になっております。笑
歌詞紹介
なんといってもこの曲は 全てが正直なんです。何一つ気取っちゃいない。それがすごく落ち着くし、だからこそ何回でも聴けちゃうんです。自分に正直になれる、なんて言い方をするのもちょっと気取りすぎな気がする。全部自分の人生の一部なんです。 歌詞のどこを切り取っても。
裏切ったはずのあいつが笑ってて
裏切られた自分がこんなに不幸だ
ああ なんて 無様で皮肉なんだセックスばっかのお前らなんかより
愛情求め生きてきてんのに
ああ 今日も愛されない
「夢追いベンガル」 作詞 あいみょん
1番の冒頭の歌詞なんですが、ここなんかすごい良くて。だってただの愚痴じゃないですか、こんなの。
でもすっごい大声でこれ歌いたいじゃないですか。LINEのプロフィールに堂々と書いときたいし、公衆の面前でイチャつくカップルに叫び散らしたいじゃないですか。ちょっと僕が歪みすぎてるだけかもしれないですけど。
こんなまっすぐな歌詞なんて、誰でも心の奥底に眠ってるはずなのに誰も書けないんですよ。すぐ比喩に走っちゃうし。勿論それも素晴らしいことなんだけど、この曲のあまりにストレートな歌詞がすごい爽快なんです。
だいたい普通でいたいはずなのに
普通より上を求めちまうしさぁ
まあ、なんか たまには 自分に優しく今日も貯金通帳は白いカモメだな
適当にどっか飛んでっていいんだぜ
ああ 今日も愛されない
「夢追いベンガル」 作詞 あいみょん
さっきの続きの歌詞。
何がいいって、歌詞書いてるのに全然気持ちの整理ついてないんですよ。
「まぁ、なんか たまには 自分に優しく」なんてただの思考の流れじゃないですか。だから聴きながら変な連想しなくていいんですよ。ほんとにそのままだから。
ピースの又吉さんがテレビで「愛を伝えたいだとか」の歌詞解釈を語られてて、その時に「気持ちの整理がついてない感じが表現されている」みたいなことおっしゃってたんですけど、まさにここもそんな感じで。すっごい聴いてて心地いい。
「預金通帳は白いかもめだな」は比喩ですけど、直喩なんで考察するまでもなし。
要は金なんかいらねえから愛してくれと。清々しいです。
ありったけの水をちょうだい
白いカモメは海へ飛べ
デジタルも流行りもいらないよ
エロも今はいらない
「夢追いベンガル」 作詞 あいみょん
そん次の歌詞なんですが、ここも超まっすぐで。もう全部いらねーと。しかも「エロも今はいらない」をサビ直前に持って来てるんですよね。ここもなんも考えてなさそうでいてすっごい正直なんですよ。「今は」ってのをねじ込んできたのが流石あいみょんって感じがして…誰か伝わるかなこれ…w
この「今」って時間が一番心地いい時間だと思うんです。この曲の歌詞の世界での「今」って時間が。また後で触れますけど。
なんか褒めすぎな気もしますけど、今回はまだまだ褒めますよ…笑
走る 走る 遠くの方へ体を投げ捨てて
回る回る 平和も闇もとりあえず横に流せ
明日になって 朝が来た時
その時考えりゃいい
「夢追いベンガル」 作詞 あいみょん
サビなんですが、ここの投げやり感が爽快なんです。この夢を追って走ってる「今」って時間の。
だって普通、平和とか闇とかをどうにかしたがるじゃないですか、音楽って。というか、むしろ何らかのメッセージがあるから歌詞が生まれるし。
でも全部放棄してただ走ってるんですよ、「今」は。その何ともいえない開放感というかなんというか。誰もそんなこと言ってくれないから、まっすぐ歌にしてくれてありがとうって。許してもらえる感じです。うん。
2番もすっごい良いんだけど、多分同じ感想しか出てこないのでちょっと省略します笑
ちゃんとした解釈記事じゃないしね。
2番の歌詞の「カモメ」もお金の比喩だと思うよ、とだけ解釈っぽいこと書いときます。参考までに。
明日になって 朝が来た時
見えるものはなんだろう平成うまれのカリスマが
溢れる世の中についてけない
噂のバンドも気にならない
今自分はどうかしてんのかな
「夢追いベンガル」 作詞 あいみょん
2番のサビの最後〜Cメロ。
ここほんといいよね。それしか言ってないけど。すっごいいい。
不安も全部書くんですよ。だって普通の応援ソングじゃないから。隠す気が無いんです。
全部「その時考えりゃいい」って言ってるけど、結局不安になっちゃうんです。「見えるものはなんだろう」って。
そしてCメロが個人的には一番好き。「平成生まれのカリスマが」って自分で言っちゃうんです。こいつ調子乗りやがってって思う人もいるかもしれない。でも超カッコよくないですか。みんな体裁気にして絶対人に言わないけど、心のどこかで絶対思ってる。「平成生まれのカリスマが」「溢れる世の中についてけない」って、フレーズとして超ダサいけどこの上なくカッコいい。勿論褒めてます。渋谷の真ん中で歌えるもんなら歌ってみたい。でも絶対できない。
それを堂々と歌い上げるあいみょんってものすごくかっこいいと個人的に思います。人間的に。だからこそ聴いてて気持ちいいんですよ。なんの虚構もないし、理想論でもカッコつけてるわけでもないから。
しかも共感できる歌詞なんですよね、ちゃんと。別にナルシストとかそういう話ではなくて、「噂のバンドも気にならない 今自分はどうかしてんのかな」とか。すっごいわかる。時代に乗れないと。やっぱり不安にはなるものです。でもこっからの歌詞でちゃんと吹っ切ってくれるんですよ…素晴らしい。
走る 走る 遠くの方へ体を投げ捨てて
回る回る 平和も闇もとりあえず横に流せ
明日になって 朝が来た時
その時考えりゃいい
今の自分がどうかしていたって
その時考えりゃいい
「夢追いベンガル」 作詞 あいみょん
ちょっと飛んでラスサビ。また1番のサビに戻って来ちゃったんですけど、インパクトのあるCメロを聞いた後に聴くとすっごいしっくり来るんです。
今は全部横に流せと。
しかも「今の自分がどうかしてたって その時考えりゃいい」なんて、なんの解決にもなってないじゃないですか、正直。でも一番自然な考え方だと思うんです。自分の気持ちにまっすぐ向き合ったら結局ここに行きつくだろうし。
まとめ
勿論、世の中にはありとあらゆる「応援ソング」と言われる曲があって、それぞれがなんらかの指針を提示してくれるんですよ。「君ならできるんだどんなことも」って歌ったり(サンボマスター)、「進め君らしく心踊る方」って歌ったり(WANIMA)。それも当然いいんだけど、ここまで突き詰めて正直に歌った曲って案外無いなって思って。
そのまっすぐさが僕にはぶっ刺さったし、色んな人に突き刺さってるし、それがあいみょんブームが訪れた理由なのかなって思ったりします。
ブームって言っても多分一過性じゃない。だって誰もこんなまっすぐに歌えないから。しかも時代がそれを求めてると思うし。
何回も言うけど、とにかくこの曲は聴いてて心地いいんです。大声で歌ってやりたいって心から思う。
なんかあいみょんの批評文みたいになっちゃったけど、この辺で終わりたいと思います笑
終始上から目線みたいな感じになってしまって申し訳ないm(_ _)m
新曲が出たらちゃんとまじめに歌詞解釈書きます…笑
お読みいただきありがとうございました!