アルバム『EYE』収録、SEKAI NO OWARI『Re:set』。
ゲーム「キャサリン・フルボディ」のイメージソングであり、現在PVも公開されています。
狂気の権化ともいえるこの上なく不気味な一曲。早速解釈していきます!
キャサリン・フルボディ
この楽曲の背景として存在するゲーム「キャサリン」。
タイアップ決定前に、ボーカルのFukaseさんが以前同作をプレイした経験からこの楽曲を制作し、結果的に新作「キャサリン・フルボディ」のイメージソングに選ばれることとなりました。よって、この楽曲の世界観はゲーム「キャサリン」そのものです。
簡単に「キャサリン」のあらすじを説明しますと、主人公は32歳の男性。恋人がいるにも関わらず謎の美女と関係を持ってしまい、地獄の三角関係に悩まされるように。また、それ以来、目を覚まさなければ死んでしまう奇妙な悪夢にうなされるようになる…というもの。簡潔に説明しましたが、ほんとはもっと泥沼な状態です。私自身、YouTubeでストーリー確認して終始驚きっぱなしでした。普通に新作買おうかな。
正直これをわかってないと歌詞の意味がよくわかりません…笑
楽曲・歌詞
先述した通り、この楽曲の最大の特徴はその不気味さ。鳥肌が立つような狂気的な歌詞、メロディが印象的です。
伝わるかわかりませんが、「キャサリン」は勿論、ゲーム「MOTHER2」のムーンサイドであったり、ラスボス、ギーグであったり同じ類の狂気を感じます。わかる人いるかな…笑
迎える朝 何度目の事
真っ暗な部屋 子供達の声
頭が鉛 体が鉄
朦朧とする意識と記憶
這いずり回るベッドの上
水槽で泳ぐスタビースクイード
観賞用のギンピーギンピー
部屋に散らばるカティーサーク
繰り返されるあの日の映像
深い眠りに落ちていく感覚
揺れる乳房 かきあげる仕草
いつもの口癖 無防備な昼寝
夢だと思って眠ってみるけど
いつまで経っても醒めない現実
君はもういない
SEKAI NO OWARI 「Re:set」 作詞 Fukase
スタビースクイード…タコに似た深海イカ
ギンピーギンピー…猛毒植物。最悪の毒草。
カティーサーク…ウイスキー
1番の歌詞。至る所に狂気が散りばめられています。観賞用もなにも、ギンピーギンピーは触れれば瀕死。深海イカは飼えるはずないし、ウイスキーが散乱した部屋を想像しただけでも相当不気味です。
歌詞のほとんどが情景の列挙。朦朧とする意識の中で、あの日の映像が繰り返される。
ゲームのストーリーに基づいて考えれば、あの日、というのは恐らく謎の美女と迎えた朝のことでしょう。「観賞用のギンピーギンピー」など、狂気で滲んだ悪夢の中でも繰り返されるあの日の映像。悪夢にうなされているわけですから、頭も体も働かないし意識も朦朧としているわけです。
「夢だと思って眠ってみるけど」という表現も狂気的です。夢だと思うなら眠ってはいけないから。この表現自体に深い意味があるというよりも、狂気の世界観に合わせてこの歌詞が生まれたのかな…と。どのみちとんでもない歌詞。
そして「君はもういない」。
一応ゲームは未プレイですがストーリーは理解してるので、「君」って場合によって違うよな…ってなるんですが、まあそこは置いといて。気になる方はYouTubeでチェックしてみてください…笑
ここで、きちんとした言語としての歌詞が一旦終了します。そして、声にならない叫び声のような電子音(?)がひたすら繰り返される。ただひらすら何回も。これがとにかく狂気的。
なんなのかはわからないけれど、何度も何度も聴こえる叫び声。耳を裂くような、狂ったような奇声が何度も何度も繰り返される。とにかく、とにかく不気味で仕方がない。
しかもこれ、歌詞カードを確認するとちゃんとした歌詞。絶対に聴き取ることは不可能ですが、ちゃんと歌詞が割り当てられています。その歌詞がこれ。
Re:set
SEKAI NO OWARI 「Re:set」 作詞 Fukase
ひたすら何度も、声にならない声で「Re:set」と叫び続けているわけです。君はもういないから。リセットなんてできるはずもないのに。狂っているとしか言いようがない。
「キャサリン」はマルチエンディングのゲームですから、まあ「Re:set」というのはゲーム的には可能というか常套手段なんですが。
2番の歌詞も基本的には1番と同様、事実の列挙なので割愛します。
2番でも、不穏なピアノパートを経てひたすら叫び声、「Re:set」のリフレイン。そしてファミコン、もっと言えば「MOTHER2」を思わせるような不気味な電子音。そしてまた叫び声。何度も言いますが、とにかく不気味です。ここまで狂気を楽曲で表現したセカオワには脱帽。
そして最後の歌詞も狂気。
何億通りもある出逢いから 君を見つけてしまった確率
ゴミほどころがる奇跡の中で 君を見つけた悪運
SEKAI NO OWARI 「Re:set」 作詞 Fukase
謎の美女と一夜を過ごしてから始まった悪夢。しかも、「君はもういない」。悪夢だけれど「夢」ではない。そして悪夢から覚めなければ死んでしまう、という狂気の混沌とした世界観。
「ゴミほど転がる奇跡の中で」という歌詞がまたなんとも不気味。「君を見つけた」こと以外は相対的に「奇跡」だったということでしょうか。でも、君を忘れることなんてできない。…マルチエンディングだけど。
まとめ
なんというか、まっすぐな歌詞が一つもない。何回も言ってますが、もう全てが狂気的です…
さらに特徴的なのが、曲の展開。
基本的にAメロしか存在しない。すべて話口調なので、いわゆる「歌っている」部分が一箇所もない。サビと思われる「Re:set」は機械音で全く聴き取れない。常軌を逸する規格外な展開です。過去のどのセカオワの楽曲を見てもこんな曲は存在しないし、他のアーティストを見てもこんな楽曲はない。繰り返すけれども、まさに狂気の権化。そんな楽曲です。
こんな楽曲聞いたことないし、聴かない方が精神的には楽だったのかもしれない。でも一つの世界観として、SEKAI NO OWARIを全く知らない人であっても一聴の価値のある楽曲だと思います!
終始上から目線のような文章になってしまい、不快に思われた方がいらっしゃったら申し訳ないですm(_ _)m
最後までお読みいただきありがとうございました!
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