WANIMA「GONG」。
映画『ONE PIECE STAMPEDE』主題歌の、これでもかと熱い思いが詰め込まれたWANIMAらしさ全開の1曲です。YouTubeではMVも公開中。
WANIMA「GONG」OFFICIAL MUSIC VIDEO WANIMAより
これまでもずっと、燃え滾るような想いをリスナーにぶつけ続けてきたWANIMA。
「GONG」ではそんな彼らがたどり着いた新境地が垣間見えるような気がします。
ここではその歌詞に注目し、楽曲の魅力を紐解いていければと思います！
歌詞考察
新境地は少年漫画
この楽曲の大きな特徴というか、特に魅力的なポイントがその圧倒的なストーリー性。
邦ロックのど真ん中を突き進んできたWANIMAがたどり着いた新境地は、まさにワンピースのような、王道少年漫画的な世界観でした。
これまでの楽曲の中にも時間の流れは散見されましたが、「GONG」ではワンピースのタイアップ曲ということもあり、特にそのストーリー性が強調されているように思います。
広い海を今日も進む
信じた思いが旗を掲げて
まだ知らない世界の先に
きっと繋がる未来を描いて
近道なんてもったいない
これからも冒険は続くのでしょういつも胸の中で笑う声が
迷う心をとばして
振り返れば近くにいる
どんな時も恐れず舵を切って
他の誰かには譲れない
これからも挑戦は続くのでしょう嵐の夜に弱さを知れば
一人じゃ何も出来なかった
言葉はいらない 疑いもしない
涙一つ見せない あの日を超えるまで
誰にも奪えない真っ赤な炎命ある限り 生き抜いた先に
見つけ 手に入れたいもの
出逢えた喜びが気付けば
誇りになっていたこと
それぞれの夢が一つに繋がる
旅はまだ途中だろう
募る想い強く動く鼓動生まれてきたこと 恨んでいた時も
あったけれど
沈んだ毎日温もりをくれた今でも忘れない
強くなって守りたい仲間がいるから
狙い定め ためらうことなく ただド真ん中を
GONG 作詞 KENTA
嵐の夜に弱さを知り、時には生まれてきたことを恨んでしまって。
時に運命のいたずらに苛まれ、意志が遠のいていって。
だけど誇りに思える仲間と出会い、決意を胸に抱いて、広い海を突き進む。
これからも冒険は続く。ためらうことなくただド真ん中を。
そんなジャンプの王道少年漫画のような、とてつもない世界が、膨大な時間が、途方もないストーリーがこの曲には広がっているのです。
細かい話をするならば、「広い海を今日も進む」「これからも冒険は続くのでしょう」といったように、歌詞の随所に時間的・空間的な広がりがちりばめられており、決して1話完結ではない奥行きが感じられます。
さらに「一人じゃ何も出来なかった」「あの日を超えるまで」と、一人だった過去や「あの日」を回想。
当然この冒険にはワンピースのような仲間との出会いがあり、立ち直る勇気をもらう出来事があり、何かに打ち負かされた「あの日」という物語があるはずです。
一見すると抽象的・断片的にしか出来事が描かれていない歌詞ですが、歌詞と歌詞の間には途方もないようなストーリーが隠されているのです。
そして少年漫画がそうであるように、私たちはこの曲の歌詞に自らを重ね、心躍るようなロマンを感じ、前を向く勇気を手に入れることができるというわけ。
生まれてきたこと 恨んでいた時も
あったけれど
例えば世界を敵に回してもかまわない
守り抜くんだよ
自由だって 見てみたい明日があるから
狙い定め ためらうことなく ただド真ん中へ
GONG 作詞 KENTA
「例えば世界を敵に回してもかまわない 守り抜くんだよ」なんて最高にかっこいいセリフも、他のミュージシャンであれば、他の歌であれば、きっと浮いてしまっていたことでしょう。
これまでただひたすらに熱い思いを歌にしてきたWANIMAだからこそ、この楽曲が『ONE PIECE STAMPEDE』の主題歌だからこそ、少年漫画のようなストーリー性のある「GONG」だからこそ、きっとこんなセリフを歌にできてしまうのです。
そして誰だって、この曲を聴けば主人公になれます。
この楽曲はまさに、私たちを新たな冒険へ駆り出してくれる「GONG」なのです。
きっとWANIMAにしかこれだけまっすぐな曲は書けないでしょう。そう思えるくらいに、「GONG」はどこもかしこも熱い意志に溢れた曲です。そして最高にかっこいい。WANIMAの楽曲の終着点はここだったんじゃないか？とすら思えてしまいます。
しかし、彼らはまだまだ長い旅の途中。きっとこれからも彼らの冒険は続いていきます。
彼らがこれからどんな景色を見せてくれるのか。まだまだWANIMAから目が離せません！
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